文章
笼岛 みどり
2017年03月13日
桜が楽しみな季節になってきましたね。東北の青森県にある弘前公園では桜の剪定作業が2月から開始されています。桜は剪定するイメージがあまりありませんよね。関東では桜を切るというと=伐採のイメージがなんとなくあるのですが、そうではなく、剪定をきちんとすることで永く桜を楽しんでいる弘前公園の取り組みについて取材しました!
弘前公園では毎年桜の剪定をしています
弘前公園では毎年2月の末から3月末にかけて桜の木の剪定枝を配布するイベントを行っているそうです。今年で11回目になるそのイベント、県外からも来場されるそうで、毎年人気のイベントです。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉もあるように、桜は基本的には剪定してはいけない、という話があります。しかし毎年剪定が行われている弘前公園の桜は毎年とてもきれいに咲いています。
桜を剪定するようになった経緯や剪定枝を差し上げるイベントについて、弘前市公園緑地課の海老名さんにお話をお伺いしました。
桜はいつから定期的に剪定されているのですか?
桜は明治時代からありましたが、特に手入れはしておらず枯れ枝のみ剪定していました。昭和30年代に当時の公園管理事務所長がいつも通り枯れ枝の剪定指示をしたら、職員の方が間違えて枝ではなく幹を切ってしまった!のです。当時えらく怒られたのですが、その切ってしまった方の実家がリンゴ農家で、リンゴは剪定して管理されていたノウハウもあり、桜も同じようにすれば大丈夫だろうと。
そのまま、その切ってしまった桜の様子を見ていたのですが、次の年花が終わった後、幹を剪定したところから、新しい枝がどんどん出てきて元気な枝が出てきたのでそれを間引いたり、いい枝を残して大きくしていたら花を沢山つけるようになったんです。
実は一番大事なのは剪定じゃなくて肥料なんです。肥料をあげて木を元気にしてやることで剪定しても元気な枝を出すようになるんです。
肥料をあげる時期は昔は花が終わった後の「お礼肥」と「寒肥」の2回でしたが現在は「お礼肥」のみで行っています。
剪定と肥料を実施するとなると通常の管理よりも費用が沢山かかりますよね?
弘前公園の桜はゴールデンウィークに花が咲くことから、重要な観光資源となっています。「桜を切るのは何事か!」という声も昔はありましたが、それにもめげずいい花を沢山咲かせるために頑張っています。
桜の剪定枝を配布しているイベントはいつから実施されているのですか?
昔から希望があれば差し上げてはいましたが、評判を聞いて沢山の方が来てくださるようになりました。作業の支障になってしまうし、枝が落ちたりして危険もあるので、配布する日を決め、本数制限もさせて頂いて、イベントとして開催するようになりました。秋田から来られていたりと、県外から来て頂いていることもあるようです。
桜の寿命60年という説についてはどの様にお考えですか?
桜というか、樹木自体には寿命はないと考えています。枯れる原因は環境が変化することで、根が伸びるところがないとか、枝が伸びるところがないとかの水や光の問題が多いですが、施肥や剪定など手入れをすることで延ばすことが出来ると思います。
木には寿命がないんですか?
木には寿命がないらしいんです。というのは、動物は細胞分裂の回数が決まっているそうなんですが、植物は細胞分裂の数が決まっていないんだそうです。なので生物学的には「寿命」という概念がないってことなんですよね。植物が生育するには周りの環境要因が大きいんですね。
東京都の国立や中野などで古くなった桜の木の伐採などについて問題になっていますが、それについてはいかがですか?
街路樹の桜は、山にある桜ではないので、あくまでも人あっての桜だと思っています。枝が落ちたり、幹が張り出したりして人の生活に支障が出てしまうのであれば、本数を減らしたり、若い木と更新したりすることも必要なのではないかな、と個人的には思います。
弘前公園の場合は少し特殊で、弘前公園は史跡になっているんですね。樹齢100年を超えている木が400本ほどありますが、それらを更新して新しく植えることについて、史跡を管理している文化庁からの許可が必要となっています。なので、今ある桜を大事にして長生きさせようと、いろいろ考えて頑張っています。
予算的には、手入れのことを考えると、若い木に植え替える方がずっと安いと思います (笑)
いかがでしたか?桜の剪定が始まった理由が間違いだったとはとても驚きました!!しかしリンゴ栽培のノウハウがあったことで、新しい文化が根付いたんですね。現在では国内のソメイヨシノの中でも樹齢の長い桜がたくさんあり、それが名物になっているということでした。
弘前公園のさくらまつりは大正7年から始まり、今年で100回目となります。4月下旬からのさくらまつりも是非足を運んでみてくださいね!
弘前公園 桜の枝 無料配布イベント情報
弘前公園では、下記の日程でせん定した桜の枝を無料配布します。
日程
2月24日 金曜日
3月 3日 金曜日
3月10日 金曜日
3月17日 金曜日
3月24日 金曜日
時間
8時30分から(なくなり次第終了)
場所
弘前公園内「緑の相談所」前
その他
1人3本まで。販売目的での持ち帰りは禁止します。
配布する枝は、枯れた枝や病気の枝をせん定したもので、必ず花が咲くとは限りません。
作業状況や天候により準備できない場合もありますので、ご了承ください
お問い合わせ
弘前市公園緑地課
TEL:0172-33-8739
弘前公園では毎年桜の剪定をしています
弘前公園では毎年2月の末から3月末にかけて桜の木の剪定枝を配布するイベントを行っているそうです。今年で11回目になるそのイベント、県外からも来場されるそうで、毎年人気のイベントです。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉もあるように、桜は基本的には剪定してはいけない、という話があります。しかし毎年剪定が行われている弘前公園の桜は毎年とてもきれいに咲いています。
桜を剪定するようになった経緯や剪定枝を差し上げるイベントについて、弘前市公園緑地課の海老名さんにお話をお伺いしました。
桜はいつから定期的に剪定されているのですか?
桜は明治時代からありましたが、特に手入れはしておらず枯れ枝のみ剪定していました。昭和30年代に当時の公園管理事務所長がいつも通り枯れ枝の剪定指示をしたら、職員の方が間違えて枝ではなく幹を切ってしまった!のです。当時えらく怒られたのですが、その切ってしまった方の実家がリンゴ農家で、リンゴは剪定して管理されていたノウハウもあり、桜も同じようにすれば大丈夫だろうと。
そのまま、その切ってしまった桜の様子を見ていたのですが、次の年花が終わった後、幹を剪定したところから、新しい枝がどんどん出てきて元気な枝が出てきたのでそれを間引いたり、いい枝を残して大きくしていたら花を沢山つけるようになったんです。
実は一番大事なのは剪定じゃなくて肥料なんです。肥料をあげて木を元気にしてやることで剪定しても元気な枝を出すようになるんです。
肥料をあげる時期は昔は花が終わった後の「お礼肥」と「寒肥」の2回でしたが現在は「お礼肥」のみで行っています。
剪定と肥料を実施するとなると通常の管理よりも費用が沢山かかりますよね?
弘前公園の桜はゴールデンウィークに花が咲くことから、重要な観光資源となっています。「桜を切るのは何事か!」という声も昔はありましたが、それにもめげずいい花を沢山咲かせるために頑張っています。
桜の剪定枝を配布しているイベントはいつから実施されているのですか?
昔から希望があれば差し上げてはいましたが、評判を聞いて沢山の方が来てくださるようになりました。作業の支障になってしまうし、枝が落ちたりして危険もあるので、配布する日を決め、本数制限もさせて頂いて、イベントとして開催するようになりました。秋田から来られていたりと、県外から来て頂いていることもあるようです。
桜の寿命60年という説についてはどの様にお考えですか?
桜というか、樹木自体には寿命はないと考えています。枯れる原因は環境が変化することで、根が伸びるところがないとか、枝が伸びるところがないとかの水や光の問題が多いですが、施肥や剪定など手入れをすることで延ばすことが出来ると思います。
木には寿命がないんですか?
木には寿命がないらしいんです。というのは、動物は細胞分裂の回数が決まっているそうなんですが、植物は細胞分裂の数が決まっていないんだそうです。なので生物学的には「寿命」という概念がないってことなんですよね。植物が生育するには周りの環境要因が大きいんですね。
東京都の国立や中野などで古くなった桜の木の伐採などについて問題になっていますが、それについてはいかがですか?
街路樹の桜は、山にある桜ではないので、あくまでも人あっての桜だと思っています。枝が落ちたり、幹が張り出したりして人の生活に支障が出てしまうのであれば、本数を減らしたり、若い木と更新したりすることも必要なのではないかな、と個人的には思います。
弘前公園の場合は少し特殊で、弘前公園は史跡になっているんですね。樹齢100年を超えている木が400本ほどありますが、それらを更新して新しく植えることについて、史跡を管理している文化庁からの許可が必要となっています。なので、今ある桜を大事にして長生きさせようと、いろいろ考えて頑張っています。
予算的には、手入れのことを考えると、若い木に植え替える方がずっと安いと思います (笑)
いかがでしたか?桜の剪定が始まった理由が間違いだったとはとても驚きました!!しかしリンゴ栽培のノウハウがあったことで、新しい文化が根付いたんですね。現在では国内のソメイヨシノの中でも樹齢の長い桜がたくさんあり、それが名物になっているということでした。
弘前公園のさくらまつりは大正7年から始まり、今年で100回目となります。4月下旬からのさくらまつりも是非足を運んでみてくださいね!
弘前公園 桜の枝 無料配布イベント情報
弘前公園では、下記の日程でせん定した桜の枝を無料配布します。
日程
2月24日 金曜日
3月 3日 金曜日
3月10日 金曜日
3月17日 金曜日
3月24日 金曜日
時間
8時30分から(なくなり次第終了)
場所
弘前公園内「緑の相談所」前
その他
1人3本まで。販売目的での持ち帰りは禁止します。
配布する枝は、枯れた枝や病気の枝をせん定したもので、必ず花が咲くとは限りません。
作業状況や天候により準備できない場合もありますので、ご了承ください
お問い合わせ
弘前市公園緑地課
TEL:0172-33-8739
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