文章
笼岛 みどり
2017年05月24日
#藤(フジ) の花言葉
藤の花言葉は「優しさ」、「歓迎」、「決して離れない」
―紫色の垂れ下がる姿が美しい、日本古来の花
藤は、マメ科の つる性落葉木本で、花期は5月~6月です。紫や白、ピンクの房状の花が垂れ下がって咲きます。5月の風に乗って長い花房を揺らし、甘い香りを漂わせるフジの美しい花は、古くから愛されてきました。現在でも花期には、各地のフジの名所に多くの人々が訪れます。
古事記には、応神天皇の御代にフジの繊維を織ってつくった服を着たところ、服も弓矢もフジの花に変わったと記されています。万葉集にはフジの花が27首も詠まれているように、フジは上古から観賞の対象とされてきただけではなく、工芸品の意匠や絵画の題材、家紋としても数多く用いられてきました。
藤(フジ)について科・属 マメ科・フジ属和名藤(フジ),ノダフジ(右巻き),ヤマフジ(左巻き)英名 Japanese Wisteria学名 Wisteria floribunda原産地 日本出回り期 4月~6月
藤の花言葉⇒「優しさ」「歓迎」「決して離れない」
藤(フジ)の花言葉の由来
藤の花言葉の由来は、藤がつる性の植物で、他の植物などにしっかりとつるを巻きつけて育つことから「決して離れない」という花言葉になったそうです。
もうひとつのフジの花言葉の「優しさ」「歓迎」は、藤の花穂の垂れているが頭を下げて客人を迎え入れる振袖姿の女性に例えられたことから来ているようです。
花名の由来
学名「Wisteria(ウィステリア)」は、アメリカの解剖学者カスパール・ウィスターさんの名前から来ています。
和名の「藤(フジ)」は、「吹き散る」からきているなど、「藤(フジ)」の語源には諸説あると言われています。別名の「野田藤(ノダフジ)」は、フジが咲くことで有名なスポットの大阪市福島区野田の地名からきています。
「藤色」とは
フジの花の色は淡い紫色で、「藤色」の言葉もここからついたようです。
「藤色」の英語も、ウィステリア(wisteria)。フジの学名と同じですね。万葉集の中にも、フジは多く出てきます。苗字に「藤」の漢字がつく藤原隆盛やフジのふんわりとした芳香などにより、平安時代を中心に愛されていた色が「藤色」です。
藤(フジ)の種類
日本では、藤の種類が2系統あります。ヤマフジ(別名ノフジという種)のほか数種が自生し、古くから様々な品種がつくられてきました。
つるが時計回りの巻き方をする品種に対して、ヤマフジは、つるが反時計回りに巻きます。またより大きい花を咲かせます。
シロバナフジ(Wisteria floribunda ‘Alba’)
花色は白。中心部がやや黄緑色。長く垂れ下がる花房が美しい。
ノダナガフジ(Wisteria floribunda ‘Macrobotrys’)
別名、六尺藤と言われています。花房の長いタイプ。
アケボノフジ(Wisteria floribunda ‘Alborosea’)
白色の花ですが、蕾は淡紅色です。開くと花弁の先が淡紅色になることから口紅フジとも呼ばれています。
アカバナフジ(Wisteria floribunda ‘Rosea’)
桃色藤と呼ばれるフジ。花房は30cmほど、花は淡い紅色のタイプ。
ヤエフジ(Wisteria floribunda ‘Violaceoplena’)
八重黒竜ともいわれるヤエフジ。濃紫色の八重咲きのタイプ。
フジは女性に例えられた
美しく垂れるフジの姿は、振袖を着た女性を思わせる姿です。
古くから、日本では「フジ」を女性、「マツ」を男性にたとえて、フジやマツを近くに植える習慣があったそうです。
0
0