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笼岛 みどり
2017年05月28日
▼栽培カレンダー
目次
ポピーの基本情報
ポピーの育て方
ポピーの育て方 まとめ
ポピーのその他色々
ポピーの基本情報
ヒナゲシ、コクリコ、虞美人草の名でも知られる1年草。薄紙のような4枚の花弁がしわ状になり、小さいながらも優雅な花を見せてくれます。ひらひらと風に揺れる姿もまた美しいものです。小さな鉢植えでも育てられますが、できればコンテナや花壇で楽しみたいところ。昭和記念公園や秩父高原はポピーの一大群生地として知られています。一方向からしか日が射さないと茎が曲がりやすくなってしまうので、なるべく日当たりのよい場所に植えます。多年草の品種もありますが高温に弱いため、やや手がかかります。切り花としては日持ちしないのが難点です。生ける前によく水揚げしておきましょう。
ポピーの花言葉
ポピーの花言葉は「いたわり」「思いやり」「陽気で優しい」「恋の予感」。
優しく柔らかいイメージにふさわしく、ポピー全体の花言葉は「いたわり」「思いやり」「陽気で優しい」「恋の予感」といった柔和なフレーズが並びます。花の色ごとにも意味があり、赤いポピーは「慰め」「感謝」、黄色は「富」「成功」、白は「眠り」「忘却」といった意味合いがあります。ギリシア神話にはケシの実を使って心を癒す眠りの神・ヒュプノスが登場します。ヒュプノスの逸話や、睡眠薬として用いられた歴史から「慰め」「眠り」といった言葉がつけられたのでしょう。
ポピーの基本情報科・属ケシ科ケシ属和名ポピー,雛芥子(ヒナゲシ)英名Papaver学名Papaver原産地北アメリカ出回り時期2月~3月、10月~11月育てやすさ★☆☆☆☆
ポピーの品種
100種類以上が知られているポピー(ヒナゲシ)ですが、市場に出回っているのはイギリスで育成された「シャーレーポピー」がほとんどです。ヒナゲシ以外のケシ科では「アイスランドポピー」「オリエンタルポピー(オニゲシ)」が園芸種として知られています。「カリフォルニアポピー(ハナビシソウ)」は別属ですが、ポピーとして総称されています。
ポピーの育て方用土
アルカリ性を好む傾向がありますが、市販されている「花の培養土」でも充分きれいに育てられます。根腐れを防ぐため、これに川砂を少し加えてもよいでしょう。
種まき
種が非常に小さく扱いづらいので、苗からの育成がほとんどです。こぼれ種からもよく増えます。鉢植えの場合は間引いて、1鉢に1本ずつ育てるようにします。
苗の選び方
ヒナゲシは10月~11月、アイスランドポピーやオリエンタルポピーは2月~3月に苗が出回ります。なるべく葉の色の鮮やかなものを選びましょう。
植え付け
植え替えを嫌うので、ポットから出したら土をほぐさず、そのまま植え付けます。種は直接、地面や鉢にまきます。多年草の種も数年は植え替えを必要としません。
水やり
根腐れをおこしやすいので、土が乾いてからたっぷり与えるようにします。露地植えの場合、水やりは特に必要ありません。
追肥
市販の培養土なら肥料を必要としません。葉に色つやがなくなったり黄色くなった時は栄養不足のサインなので、薄めの液肥を与えます。
剪定
あまり剪定を必要としませんが、本葉が8枚以上となった頃に摘芯しておくと、より大きな株に育てることができます。
病害虫
湿った環境では灰色カビ病が起きやすくなります。発生した部位を摘んで対処します。アブラムシにも注意が必要です。
アブラムシ
アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
灰色カビ病
ボトリチス病とも呼ばれ、梅雨時期に特に発生します。花弁に褐色の小さなシミ状の斑点ができたり、茎や葉に灰色のカビが生えます。気温が度前半で雨が続くと発生しやすくなります。日当たりや風通しをよくすることが大切です。
ポピーの育て方 まとめ
・日当たりのよい場所に植えましょう。マイナス10度程度まで耐えるといわれているので、冬場の対策は特にしません。
・手がかからないのが特長。剪定の必要がほとんどなく、庭植えなら水やりもいりません。
・暑さには弱いので、夏は土の上にワラを敷いて断熱するとよいでしょう。
・オリエンタルポピーなど多年生で根の太い種類は根挿しで増やすことができます。
ポピーのその他色々ポピーの種
ポピーの種は慣用句の通り「芥子粒のように」小さいので扱いに注意が必要です。まくと一か所に固まってしまいがちで、新芽がうまく伸びません。乾いた砂粒を足してよく混ぜてからまくようにすると、種が適度にバラけてくれます。実が完全に成熟すると少しの風で散ってしまうので、その前に花ごと摘み取っておきます。
睡眠薬として用いられいたポピー
原種ポピーの種には入眠作用があるとされ、かつては睡眠薬として利用されていました。白いポピーの花言葉「眠り」はそうした歴史から生まれたものです。学名の「Papaver」はラテン語で粥を意味する「Pap」に由来します。これは子供の眠りをよくするため、粥にポピーの成分を入れた古い習慣にちなみます。現在、園芸種として販売されているポピーからは薬物の原料になるような物質を抽出できません。
ウォーターポピー
ハナイ科の水生植物・ミズヒナゲシは、花の形がポピーによく似ていることから「ウォーターポピー」と呼ばれています。まったく別種ですがポピー同様、栽培は容易。鉢植えにしてから睡蓮蜂などに入れ、葉の高さと水面が合うように水を張ります。すると水面に沿うように新しい葉を伸ばし、6月頃にはポピーそっくりな薄黄色の花を咲かせてくれます。メダカなど観賞魚を泳がせておくと、さらに映えるでしょう。
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笼岛 みどり
2017年05月27日
春から初夏にかけては、突風が駆け抜ける日が急に訪れますね。
強い風の中で咲く花として、私が先ず思い浮かべるのは#ポピー です。
1.シロバナタンポポと綿毛
先日トイカメラを携えて、東京都立川市にある「昭和記念公園」に、アイスランドポピーの原っぱを撮影に行きました。
ゲートを入って直ぐに目に付いたのが、黄色いタンポポに混じってポツリポツリと咲く、白いタンポポ。
関東で暮らす私には、タンポポといえば黄色なのですが、関西では白が多い地域もあるそうですね。
ただこれは、野生の交雑種でしょうか。
中央はやや黄色掛かっていました。
このシロバナタンポポ、写真写りが良い!
もう一枚。
その脇にはもちろん綿毛。
風を受けて、飛び立ちを待っていました。
近付いてみると、星の塊のようでした。
2.突風の中のアイスランドポピー
そのまま園内を進み、原っぱ西花畑にやってきました。
そこには30万株のアイスランドポピー。
この日も強い風が、何も遮る物の無い原っぱを、力一杯吹き抜けていました。
ポピーの繊細で美しく透ける大きな花弁が、強風の中で差す傘のように、アッチヘコッチへ。
カメラを向けるとシャッターを切る前に、ファインダーの外へ向かって逃げて行きました。
右へ、
左へ、
前屈から後ろ反らし!
何でそこまで!と思う程に、カメラから逃げようとしました。
3.ポピーは風ごと捕まえる
何年かポピーの撮影に挑戦してきましたが、ポピーは咲く季節とその花姿のせいで、いつも揺れている姿でした。
揺れていると、顔にしっかりピントが合いませんでした。
今まではそれで、失敗写真と見なしていましたので、
ポピーの写真はほとんどありませんでした。
最近は撮影に出ると悪天候なことが多いのですが、
あまりに多いので、その中であがいているうちに、むしろチャンスのような気がしてきました。
悪天候は、劇的な効果をくれることがありますよね。
そこで今年のモットーは、「風ごと捕まえる」。
強い風の中地面ギリギリに構えました。
顔には吹き上げられた土が飛んできました。
そうすると、「ゴオー」という唸りも一緒に写りました。
周りの景色も一緒に吹き飛ばされていました。
あっ!風が弱まり始めました。もう直ぐ止まる。
風が止まってからシャッターを切っても、実は遅いのです。
撮り切る前に、次の風に吹き飛ばされます。
ですから弱まってきたら、風が止まった時に花が来る位置を予測して、そこで構えて待ちました。
パシャ。
風に押されていない顔に、しっかりピントが合いました。
同じようにタイミングを計って。
―雲が吹き千切られて光が差す―
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